家族構成や年代によって家の住みやすさは変わります。住みやすさを求めて引越しをするのもひとつの方法ですが、リノベーションで住み慣れた我が家を生まれ変わらせてみてはいかがでしょうか。 この記事では、リノベーションでこだわりの住まいを実現した5つの例を紹介します。工事にかかった費用もあわせて紹介しますので、リノベーションを検討する際の参考にしてみてください。
リノベーションとリフォームの違い
リフォームとリノベーションは、いずれも古くなった建物の室内を美しくよみがえらせる工事です。しかし、目的はやや異なります。一般的にリフォームとは、壁・床・天井の貼り替えや老朽化した住宅設備の交換など、原状回復を目的とした工事を指します。一方、リノベーションは「革新」や「刷新」を意味し、住まいに新しい価値を与える改修工事のことをいいます。
たとえば、隣り合わせた部屋の壁を取り払って広い空間にしたり、段差をなくしてバリアフリーにしたりなど、リノベーションはリフォームに比べて大掛かりな工事になります。特に「フルリノベーション」や「スケルトンリフォーム」などと呼ばれる工事は、構造体のみを残して解体し、間取りや内装、住宅設備などを新しくする大規模な工事です。
リノベーションの費用相場
規模や工事内容、設備のグレードによっても異なりますが、リノベーションの費用相場は1平方メートル当たり10~15万円ほどです。たとえば、50平方メートルのフルリノベーションには500~750万円の工事費がかかる計算になります。さらに工事費の10~20%ほどの設計料や、現場の状況によっては10~20%ほどの諸費用がかかる場合もあります。工事期間中の仮住まいが必要な場合は、引越し代や家賃なども準備しなくてはなりません。
ただし、工事費はあくまでも目安です。建材や設備などにこだわりがあればもっと高くなりますし、反対に使えるものは再利用してコストを抑えることも可能です。リノベーションなら少ない予算で自分の理想の住まいが実現できるかもしれません。そのため、あえて価格の安い中古物件を購入し、リノベーションに費用をかけるという選択をする人も増えています。
リノベーション実例集
リノベーションでどのようなことが可能なのか、費用はどのくらいかかるのかなどをイメージするには、実例を参考にするのが一番です。ここでは、ビルドアートが手掛けたマンションリノベーションを紹介します。
実例1) 磨き直されたヴィンテージマンション
神奈川県川崎市 A様邸
施工面積:約63平方メートル
費用概算:約400万円
キッチンや浴室・トイレなどの水回りを中心に、築36年のマンションをフルリノベーションした例です。
ポイントは建具や玄関収納などを再利用したこと。ただし、そのまま使用したのでは新しい部屋のなかで浮いてしまいます。そこで、ドアノブや丁番などの金物部分を磨き、塗装を施して、新しくなった室内になじむよう工夫しました。
建材の再利用で費用を抑えた分、洗面台は既製品ではなくオリジナルの造作洗面台にしています。ちょっとしたアイデアで、こだわりとコストダウンの両方が実現できた好例です。
実例2) 北欧インテリアがテーマのリノベーション
神奈川県藤沢市 T様邸
費用概算:約140万円
新築のマンションに収納や造作家具、造作キッチンをプラスした例です。
収納が足りず、ものが散らかりがちなキッチン周りをすっきりさせるため、家電収納棚の横にミニパントリーを造作しました。パントリーの幅は450ミリと、それほど大きなものではありません。しかし、天井までたっぷりの高さを利用しているため収納力は抜群です。間仕切り板とスライドバスケットの組み合わせで高いところに納めたものも一目でわかります。
なお、リビングやダイニングからはキッチンの収納スペースが見えません。キッチン周りが片付いたおかげで、リビングダイニングもシンプルな北欧家具がよく似合う明るくて居心地の良い空間に仕上がりました。
実例3) インダストリアルなカフェインテリア
神奈川県大和市 D様邸
施工面積:約56平方メートル
費用概算:約380万円
中古マンションを購入し、自分好みの空間に全面改修した例です。
インダストリアルとは工業的という意味で、金属やコンクリートなど無機質な素材を使用したユーズド感のあるインテリアを指します。こだわりは黒のアイアンフレーム。飾り棚、オープン棚、照明器具、トイレのペーパーホルダーなどは黒いアイアンフレームで統一しました。それだけでは無骨で重々しい雰囲気になってしまいますが、木材との組み合わせと間接照明の採用により、洒落たカフェのような空間を実現しています。
テレビボードの背面となる壁をアクセントウォールにするため、一面にブリック調のタイルを施工。タイルの模様が間接照明に浮かび、リビングに優しい印象を与えています。
実例4) 家具が映えるシンプルモダンの家
神奈川県相模原市 F様邸
施工面積:約96平方メートル
費用概算:約860万円
間取り変更も含む大掛かりなリノベーションの一例です。
リビングとキッチンを仕切っていた壁を撤去し、キッチンから外の景色まで見渡せるよう、対面キッチンに変更しました。キッチンから続くダイニングを勾配天井にしたことで、より開放感のある空間を実現しています。
全体的に白を基調にした壁や床、モノトーンで統一したインテリアにより、大人っぽいシックな雰囲気にまとまりました。テレビボードの背面には、アクセントとしてエコカラットを使用しています。エコカラットは調湿機能や消臭作用のある機能性壁材です。デザインや色柄も豊富で、インテリアに合わせて好みで選べるため、人気を集めています。
実例5) 家族皆が集まるセンターリビングの家
神奈川県横浜市 Y様邸
施工面積:約82平方メートル
費用概算:約1,420万円
子どもたちの成長に合わせて、大胆なリノベーションを行った事例です。
適度な距離感とコミュニケーションの取りやすさを意識して、リビングを取り囲むように6人の子どもたちの個室を配置しました。リビングの中央にアイランド型のキッチンを設置し、リビングに続く広めのデッキでも食事が楽しめるようになっています。
ユニークなのは玄関横に洗濯室を配置したことです。外から帰った子どもたちが靴を脱ぐ前に汚れ物を出せるため、家の中が散らかることを防げます。なお、洗濯室はたっぷりの収納棚を備えたウォークインクローゼットを兼ねています。
さらに大量の靴がすっきりと収納できるよう、玄関の壁面にも可動式の棚を設置。靴で埋め尽くされる玄関にはなりません。
リノベーション費用を抑えるには
リフォームやリノベーションの目的・内容によっては、国や自治体から補助金または助成金を受けられる可能性があります。対象と認められればリノベーション費用の負担軽減につながるため、ぜひチェックしてみてください。
補助金・助成金制度が設けられているのは、以下の目的で行われる工事です。
・耐震
・介護、バリアフリー
・省エネ
金額や条件などは制度によって異なります。申請期間が定められているものもあるため、事前に確認しておきましょう。以下にて主な制度を紹介します。
耐震
耐震診断や耐震改修にかかる費用については、各自治体で補助や助成を行っています。金額や要件などは自治体によって異なるため、市役所などに問い合わせてみてください。
また、リフォームやリノベーションによって長期優良住宅に認定された場合は、一定の耐震性が確保されていることになります。こちらもあわせてチェックしておきましょう。
介護、バリアフリー
要支援または要介護を受けている人が自宅に次のようなリフォームを行う場合、介護保険から最大18万円までの助成が受けられます。
・手すりの取付け
・段差の解消
・滑りの防止および移動を円滑にすることを目的とした床や通路面の材料の変更
・引き戸など扉の取替え
・和式便器から洋式便器へ取替え
・その他上記の住宅改修に付帯して必要となる工事
介護に関する住宅改修については、自治体独自で補助・助成を行っていることもあります。要支援・要介護の認定を受けていなくても対象となるケースがあるため、市役所などに問い合わせてみてください。また、工事の内容によっては「グリーン住宅ポイント制度」も利用できます。
介護保険における住宅改修|厚生労働省
グリーン住宅ポイント制度
省エネ
天井・壁・床の断熱、エコキュートなど高効率給湯器の設置、太陽光発電システムの導入などを含むリフォームやリノベーションでは、次のような補助・助成制度が利用できるかもしれません。それぞれの概要や要件などを確認して、対象となる場合は積極的に活用しましょう。
・グリーン住宅ポイント制度
・既存住宅における断熱リフォーム支援事業(旧・断熱リノベ)
・次世代省エネ建材の実証支援事業
・経済産業省および環境省による戸建ZEH補助事業
・長期優良住宅化リフォーム推進事業
・地域型住宅グリーン化事業
限られた予算で素敵なリノベーションをしよう
リノベーションなら限られた予算のなかでも、工夫次第で自分好みの住まいを実現できます。助成金や補助金の制度を活用すれば、よりお得にリノベーションが行えるでしょう。
ただし、制度によっては申請期間が定められていることに注意しなくてはなりません。なかには申請に手間がかかるものもあります。リノベーションを検討する際は、制度の利用も含め、実績豊富な業者に相談するのがおすすめです。ビルドアートでは、ちょっとしたリフォームから全面的なリノベーションまで豊富な施工実績をもっています。ぜひお気軽にご相談ください。
https://www.buildart.co.jp/building/renovation_reform/form-input/