リフォームを検討しているなら、ローンについて詳しく知りたいと考えるものです。住宅ローンとの違いや、リフォームローンの仕組みなど、少しでもお得にリフォームするため気になることも多いでしょう。 この記事では、リフォームローンとは何か仕組みを紹介した上で、住宅ローンとの違いやよくある気になる疑問などを解説するので参考にしてください。
リフォームローンとは
リフォームローンとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、以下3点の気になる項目について解説します。
・審査基準
・無担保型と有担保型について
・無担保型と有担保型どちらがいいのか
審査の基準は厳しい?
審査内容の詳細は公表されていないので一概にいえませんが、住宅ローンと同じような内容と考えておきましょう。内容が似ていてもリフォームローンは住宅ローンよりも審査に通りやすい傾向にあります。まず、例として大手金融機関では以下のような条件があるので参考にしてください。
・年齢:申し込み時20〜70歳、完済時80歳以下
・年収:200〜300万円以上
・勤続年数:1~2年以上、自営業者は2年以上の継続した事業収入があること
年収や勤続年数についてはそれほど厳しい条件ではありませんが、年齢にははっきりとした制限が設けられています。これはリフォームローンに限らず、住宅ローンにもいえることです。
参考に、国土交通省が公表している「令和元年度民間住宅ローンの実態に関する調査 結果報告書」を確認してみると、いかに完済時の年齢を審査の重要項目にしているのかがわかります。同調査結果では、融資を行う金融機関の99%が「完済時の年齢」を審査の重点ポイントにしているのです。
したがって、リフォームローン審査は住宅ローンよりは通りやすい、しかし年齢によって難易度が上がる、といえるでしょう。
リフォームローンには無担保型と有担保型がある
リフォームローンには、無担保型と有担保型の2通りあります。
【無担保型】
無担保型のリフォームローンは、その名の通りローンを組む際に担保を必要としません。無担保のため、金利は高めで借り入れ可能金額が低いこと、また返済期間も短く最大でも10〜15年に設定されているのが特徴です。
金融機関によっては、多目的ローンやフリーローンとしてリフォームにも利用できる商品を扱っているケースもあります。
【有担保型】
有担保型のリフォームローンは、リフォームする物件を担保にしてローンを組む方法です。有担保のため、金利は低めで借り入れ可能金額が高めであること、また返済期間が最長で住宅ローン同様35年に設定されているのが特徴です。
【無担型と有担保型リフォームローンの違い】
・担保有無
・金利
・借り入れ可能金額
・返済期間
一般的な金利や借入可能金額、返済期間は以下の表の通りです。参考にしてください。
無担保型 | 有担保型 | |||
---|---|---|---|---|
金利の相場 | 2~5%前後 | 1〜2%前後 | ||
借入可能金額帯 | 500~1,000万円前後 | 1,000万~1億円前後 | ||
返済期間の最長年数 | 10~15年前後 | 35年 | ||
無担保型と有担保型、どちらがいいの?
無担保型と有担保型、どちらがいいのかは、利用する目的や生活環境などによって異なります。ここでは無担保型と有担保型のメリットとデメリットを解説した上で、それぞれのローンに向いている人の特徴を紹介しましょう。
【無担保型のメリットとデメリット、向いている人】
無担保型のメリットは以下の3点です。
・審査のスピードが早い
・原則、保証人が不要
・ローンが返せなくなってもマイホームを差し押さえられない
担保となる不動産の審査がないため、準備する書類も少なく一般的に1日〜1週間程度で審査は完了します。保証人も必要としない商品が多いので、保証人を探したりお願いしたりする手間をかけることもありません。
マイホームを担保に入れる必要もないので、万が一返済不能になったとしても差し押さえられないこともメリットです。
では、デメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
・金利が高め
・返済期間が短い
金利が高めに設定されているので、利子だけでそれなりの金額になります。有担保と比較すると倍近い金利です。また、返済期間が短いので借り入れ金額によっては月々の返済額が大きくなり、生活環境に影響が出る可能性もあります
無担保型が向いている人は
・小規模なリフォームを計画している人
・借り入れを急いでいる人
【有担保型のメリットとデメリット、向いている人】
有担保型のメリットは以下の3点です。
・金利が低い
・借り入れ可能金額が高めに設定されている
・返済期間が長く設定されている
担保を入れるので、低い金利で借り入れることができます。無担保型と比較すると半分程度です。さらに借り入れ可能金額が高いので、大規模なリフォームにも対応しています。返済期間も最大35年と長期なので、余裕を持った返済も可能です。
では、デメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
・審査の書類が多くスピードも遅い
・返済期間は長いがその分利息が多くかかることもある
不動産を担保にいれるため必要書類が多くなり、審査スピードも1〜3週間程度と早くはありません。返済期間を長く設定でき余裕のある返済が可能ですが、その分利息が多くかかることもデメリットです。
有担保型が向いている人は
・大規模リフォームを計画している人
・住宅ローン完済済でマイホームを担保にできる人
・利息はかかっても月々の返済金額に余裕を持たせたい人
リフォームローンと住宅ローンの違い
リフォームローンと住宅ローンは、どのような点が異なるのでしょうか。リフォームローンは住宅ローンの中の一つの種類です。しかし、条件や金利、借り入れ可能金額など違いがあります。以下の表に一般的なそれぞれのローンにおける異なる点をまとめたので、比較してください。
リフォームローン(無担保型) | 住宅ローン | |
---|---|---|
金利の相場 | 2~5%前後 | 1〜2%前後 |
借入可能金額帯 | 500~1,000万円前後 | 1,000万~1億円前後 |
返済期間の最長年数 | 10~15年前後 | 35年 |
審査期間の目安 | 1日〜1週間程度 | 1〜3週間程度 |
団体信用生命保険への加入 | 商品により異なる | ほぼ加入必須 |
※団体信用生命保険:ローン契約者が万一、死亡や高度障害により返済不能となった場合、ローン残額をすべて負担する保険
【リフォームローン(無担保型)の特徴】
リフォームローンは無担保なので、借り入れ可能金額帯が最大500~1,000万円程度と低く金利は高め、返済期間も最長10~15年程度と短いのが特徴です。そのため、借り入れ金額が高いほど、月々の負担も大きくなります。
【住宅ローンの特徴】
住宅ローンは、新築の際に利用されるローンなので、借り入れ可能額は最大で5,000万~1億円程度と高く金利は低め、返済期間も最長35年と長いのが特徴です。月々の返済には余裕を持たせられます。また、住宅ローンは「団体信用生命保険」への加入が必須である商品がほとんどです。
リフォームローンで気になること
リフォームローンの利用を検討していても、気になることがあってなかなか申し込めないという方も多いでしょう。
ここでは、よくあるリフォームローンの気になる2つのことを解説します。
・リフォームローンでも控除は使えるのか
・住宅ローンの残債があっても利用できるのか
リフォームローンでも控除は使える?
リフォームローンでも条件を満たせば控除は使うことができます。だだし、住宅ローン控除との併用はできないので注意しましょう。
リフォームローンで控除を使には、以下などが条件になります。
・リフォーム費用が100万円以上であること
・ローン期間が10年以上であること
・自らが住むための住宅であること(別荘や投資物件は対象外)
・所得の合計が3,000万円以下であること(経費や控除を除いた額)
・現行の耐震基準に適合していること
・床面積が50㎡以上であること
ほとんど住宅ローンの控除と同じような条件です。しかし、リフォーム内容も条件に含まれているので確認しましょう。
・建築基準法上の増改築や大規模なリフォーム
・マンションの専有部分のリフォーム
・居室や調理室、浴室や便所、洗面所、納戸、玄関のリフォーム
・廊下の一室の床、壁の全部のリフォーム
・現行耐震基準に適合した耐震改修工事
・一定のバリアフリーリフォーム
・一定の省エネリフォーム
住宅ローンが残っていてもリフォームローンを利用できる?
住宅ローンの残債があっても、返済にゆとりを持たせるなど条件をクリアしているなら、リフォームローンの審査も難しくありません。しかし、二重ローンとなり月々の返済額が増えることも考えておきましょう。
二重ローンは組んだときは家計をやりくりできていても、将来的に厳しくなるケースがあります。例えば、子供の成長とともに教育費などにお金がかかり始めると、毎月の返済額が負担になります。
そのため、住宅ローンの残債がある場合は借り換えで一本化することも検討しましょう。 住宅に比べれば少額のリフォーム部分の返済期間は長くなりますが、月々の返済額を抑えられるメリットがあります。 さらに住宅ローンは団体信用生命保険の加入が必須なので、将来的にも安心でしょう。
複数の金融機関を比較してみよう
リフォームローンは金融機関によって金利の優遇や担保の有無など、さまざまな条件が異なります。そのため、いくつかの金融機関を比較した上で選択することが大切です。しかし、はじめて利用する人にとっては、どのように選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。
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