平屋ってどんな家?
平屋とはワンフロアで構成される一階建ての住宅のことです。二階建ての家のように階段がなく、部屋を移動する際に上り下りする必要がありません。このことから、ライフステージの変化に伴い階段移動が難しくなっても無理なく一生住める家として近年人気を集めています。平屋は二階建ての家と比べると柔軟な設計に対応できるため、コの字やロの字で中庭を設けたりする場合も多いのが特徴です。
平屋のメリット・デメリット
平屋はワンフロアならではの開放感や二階建てでは実現できない設計を叶えることができます。一方で、二階建てに比べると建築費が高くなる傾向にあるなど、デメリットがないわけではありません。ここでは平屋を建てることのメリットとデメリットを詳しく解説します。
平屋のメリット
バリアフリーを実現できる
平屋は全ての空間がワンフロアに収まっているため、階段の上り下りが必要なくバリアフリー住居を実現できます。設計によっては全ての段差をなくすこともできるため、車椅子を利用する場合や小さなお子様がいる場合でも安心した住居にすることができます。
自然災害に強い
自然災害に強いのも大きなメリットのひとつです。住宅は高さがあればあるほど地震や台風の影響を受けやすく、自然災害への耐久性を上げる必要があります。一方、平屋の場合は一般的な二階建て住宅よりも低いため、災害による影響を受けにくいとされています。
2階がない分、設計の自由度が高い
2階部分がないため、設計の自由度が高い点もメリットのひとつです。例えば家の真ん中にロの字型の中庭を設置して、家のどこからでも自然を感じられるような設計にすることもできます。また、天井の高さも自由に決められるため、天井を高くして開放感を出すことやロフトを設置するなど自分の好みに合わせて好きに設計ができます。
家族とのコミュニケーションが取りやすい
生活空間がひとつのフロアのため、家族が何をしているか把握しやすく、コミュニケーションを取りやすい点も平屋のメリットです。声をかければすぐに気がつく距離感は気軽なコミュニケーションを取りやすく、安心感を生み出せるでしょう。
平屋のデメリット
十分な敷地が必要
平屋を建てるためには、希望の間取りを叶えるだけの十分な敷地面積が必要です。住宅を建てる場合には、建てる地域によって敷地に対する建ぺい率や容積率が定められています。そのため、希望の間取りを平屋で叶えようとすると、この建ぺい率や容積率を満たす分だけの敷地が必要になります。
採光の確保が難しい
平屋は設計上どうしても中央の部屋に採光を取り入れるのが難しいというデメリットがあります。これを解消するためには天窓を設置するなどの工夫が必要です。さらに、周辺が2階建ての住宅やマンションなどに囲まれている場合、どうしても一階建ての平屋は採光が取り入れにくくなってしまいます。そのため、エリアによっては平屋をおすすめできない場合もあります。
建築コストが高い
平屋は坪単価あたりの建築費が二階建て住宅よりも高くなる傾向にあります。同じ予算で注文住宅を建てる場合は、二階建て住宅にしたほうが設備や性能に投資できる額が増えるため、平屋をどうしても建てたい場合は二階建て住宅よりも多くの予算を確保しておくことが大切です。
平屋の方が二階建て住宅よりも価格が高い理由
一般的に平屋の建築費は二階建て住宅よりも高くなると言われています。これは二階建て住宅よりも平屋の方が建築費が高額になることが多いためです。平屋の建築費は住宅会社によって大きく異なりますが、相場としては2,000〜3,000万円ほどとされています。では、なぜ平屋の方が高くなるのか詳しく説明します。
広い敷地面積が必要
平屋は二階建て住宅よりも多くの敷地面積が必要です。平屋はワンフロアに全ての部屋と設備を収める必要がありますが、先述の通り地域ごとに建ぺい率が定められているため敷地全てを建物にすることはできません。そのため、建ぺい率の範囲内で理想の家を建てるために二階建て住居よりも広い土地を購入する必要があります。
屋根の面積が多い
屋根の範囲も建築費を大きく左右します。屋根は範囲が広ければ広いほど、材料費がかかります。そのため、平屋のように広いワンフロアの住宅では、二階建て住宅よりも屋根の範囲が広くなるため建築費も高額になります。
基礎工事費がかかる
基礎工事費とは、家を支える基礎の部分の工事費です。土台となる部分も屋根と同様に範囲が広ければ、その分の材料費がかかります。また、足場も広範囲で組み立てる必要が出てきますので、二階建て住宅よりも平屋の方が基礎工事費も高くなる傾向にあります。
おしゃれな平屋を建てるポイント
平屋は設計の自由度が高いため、アイディア次第でおしゃれなマイホームを実現できます。平屋ならではの課題である採光の取り入れ方も、設計を工夫すれば開放感のあるおしゃれな空間を演出することもできます。ここでは、おしゃれな平屋を建てるために抑えておきたいポイントについて紹介します。
中庭や天窓を設けて採光を確保する
中庭を設けることで開放感を得られ部屋全体を明るくすることができます。採光の確保は平屋の課題のひとつですが、部屋の真ん中に中庭を設けることで解決できます。また、中庭には外からの視線を気にせずにくつろげるスペースとして活躍します。季節の移り変わりを楽しめる植物などを植えて、家の中から季節感を楽しむなど中庭をうまく活用しましょう。
さらに、採光を確保する場合は天窓を設ける方法もあります。天井を高くし大きな天窓から太陽の光を取り入れることで、いつも明るい住空間を手に入れられるでしょう。また、中庭と天窓いずれも風の通り道としても活用できるため、家全体の空気を常に新鮮な状態に保てる点としてもおすすめです。
ウッドデッキを設けて庭とリビングにつながりを持たせる
ウッドデッキやテラスを設けて、リビングから庭へ気軽に出れるようにするのもおすすめです。ウッドデッキは室内から屋外へのつなぎの役割をになってくれる設備です。子供たちが気軽にリビングから庭に出て遊べたり、休日は家族でウッドデッキを利用してバーベキューをするなど、使い方はさまざまです。ウッドデッキを設けることで、中庭の活用範囲がさらに広がるでしょう。
高さを工夫して空間にメリハリをつける
ワンフロアを最大限活かすためになるべく間仕切りは少なくして開放感を持たせたい場合は、フロアの高さを工夫して空間にメリハリをつける方法がおすすめです。例えば、リビングスペースは一段下げて他の空間と差が出るようにしたり、畳の空間は一段上げて来客用として活用するなど、床の高さを工夫することで空間にメリハリが生まれます。
また、天井の高さを場所によって変えることでも雰囲気は大きく変わりますので、間仕切りやドアをなるべくなくしつつ、上手に居住空間を分ける工夫をしてみましょう。
平屋を建てる時の注意点
平屋はワンフロアであるからこそ、建てる際に気をつけておきたいポイントがいくつかあります。今回はプライバシーの観点、近隣物件との兼ね合い、防犯の3つの観点で注意すべきポイントを解説します。こだわり抜いて建てる注文住宅だからこそ、住んでからの後悔がなるべく少ないようにしましょう。
プライバシーの確保を心がける
平屋はワンフロアである分、部屋同士の距離が近くプライバシーの確保が難しい側面があります。お子様が年頃になった際にストレスなどを感じないよう、部屋の配置や防音材などでプライバシーを確保できる工夫をすることをおすすめします。また、道路沿いの住宅の場合は窓から家の中が見えてしまう心配もあります。平屋は特に一階建のため、窓を大きく設置することが多く外から家の中が丸見えになってしまう場合があります。このようにプライバシーが気にならないよう、設計には注意が必要です。
近隣住宅の高さと採光のバランスを考慮する
近隣の住宅が高層マンションや二階建て住宅が多い場合、予定していた採光が得られない場合があります。近隣住宅との距離が近く、平屋では十分な採光を取り入れられない可能性がある場合は早い段階で住宅会社と相談し設計に工夫をしましょう。あまりに周辺との建物との距離が近い場合は、外側には採光用の窓は設けず、中庭を広く取ってしまうという方法もひとつの手段です。周囲の環境は自分たちではどうにもできないため、平屋ならではの設計の自由度を活かして快適な空間を手に入れましょう。
防犯対策を徹底する
平屋は空き巣に狙われやすい特徴があります。平屋はワンフロアかつバリアフリーで設計されている場合が多いことから、侵入しやすいというリスクが伴うためです。そのため、外から侵入できる窓や勝手口は就寝時必ず施錠したり、窓を二重にするなどの防犯対策はしっかりを行うことをおすすめします。また、庭などに砂利を敷くなども侵入者の足音がすぐにわかるため有効な防犯対策です。
注文住宅で平屋を建てるならビルドアートへ
平屋は老後もストレスなく暮らせることから、近年人気が出ている住宅のスタイルです。建てる際には採光や防犯対策をしっかりと考慮した上で、自由度の高い設計を思う存分楽しみましょう。
注文住宅で平屋を検討中の場合は、ビルドアートにご相談ください。費用や土地に合わせてお客さまが満足する設計プランをご提案させていただきます。