リフォームにかかる費用の内訳
リフォームと一言で言っても、工事箇所や規模によって費用規模はさまざまです。まずは、家のそれぞれの部位ごとにかかるリフォーム工事費用について、大まかにその相場をチェックしておきましょう。
部位ごとの工事費用の内訳
リフォーム工事の内容と大まかな費用についてまとめました。あくまでも目安ですが、自宅をリフォームした場合には下記のような価格帯となります。
部位 | リフォームの費用相場 |
---|---|
キッチン | 50~200万円 |
浴室 | 60~150万円 |
トイレ | 10~30万円 |
洗面所 | 15~50万円 |
玄関・廊下・階段 | 50~100万円 |
リビング・ダイニング | 150~450万円 |
和室 | 50~100万円 |
フローリング | 10~60万円 |
外壁 | 50~150万円 |
屋根 | 50~100万円 |
ベランダ・バルコニー | 30~40万円 |
工事以外にかかる費用の内訳
リフォーム工事本体にかかる費用のほかに、諸費用がかかることに気をつけたいところです。一体どのような費用が必要になるのか紹介します。
確認申請手数料
大規模なリフォーム工事の場合には自治体、あるいは民間の指定確認検査機関による「建築確認」が必要です。具体的には床面積が10m²を超える(ただし、準防火・防火地域だと面積に関わらず確認申請が必要になります。)増築工事や主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)の過半の修繕又は模様替えが対象となっています。
申請費用そのものは1万円前後ですが、リフォーム会社などに申請をお願いすると、相場としては15万~30万円といったところで、施工面積や工事規模によって金額に差が出やすい点に注意しましょう。
印紙代
工事の契約書である「工事請負契約書」にかかる税金が印紙代です。リフォーム工事の場合は数万円から1000万円までの予算規模がほとんどなので、金額としてはそれほど大きなものとはならないでしょう。
ちなみに基本となる税額は次のようになっています。平成26年4月1日から令和4年3月31日までで記載金額100万円を超える工事については軽減措置が適用されますので、今回は軽減措置の適用分で示しています。
▼リフォーム工事契約の印紙代(軽減措置後)
契約金額(税抜) | 軽減措置後の税率 |
---|---|
100万円以下 | 200円 |
100万円超~200万円以下 | 200円 |
200万円超~300万円以下 | 500円 |
300万円超~500万円以下 | 1000円 |
500万円超~1000万円以下 | 5000円 |
1000万円超~5000万円以下 | 10000円 |
設計費
設計費は水回りのリフォームや外壁工事のように、ユニットや素材の交換が主となるリフォームではあまり必要ない費用です。しかし、規模の大きなリフォーム工事やリノベーション工事などでは、施行会社に対してプランニングや図面作成などを依頼することになります。
その際に必要となる設計費は会社によって異なります。一般的な相場としては総工事費の10〜20%が相場となっています。
仮住まいやトランクルーム費用
仮住まいやトランクルームにかかる費用とは、リフォーム工事中に生活拠点を移す必要がある場合にかかる費用のことです。工事の工期がどれくらいになるかによって費用が大きく変わります。トイレやキッチンなど、家の一部を工事する場合は1~2週間程度、本格的なリノベーション工事などの場合は2~3カ月の工事期間がかかることもあります。
引越し費用
仮住まいやトランクルームを確保する場合は、生活道具などの荷物を一時的に移動させなければなりません。その際に、引越しにかかる費用や荷物の運送費用がかかってきます。引越しに関しては2~4月の繁忙期と重なってしまうと費用が高くなる傾向があります。リフォーム工事のスケジューリングを考えることも重要です。
駐車場代
駐車場代がかかるケースとは、リフォーム工事の際に工事車両が駐車するスペースを確保する必要がある場合です。基本的に路上駐車はダメなので、自宅やマンションの駐車場を利用できない、あるいは工事車両を複数台駐車する必要がある場合は、駐車場代として請求されることもあります。このあたりも工事の打ち合わせ段階で担当業者とよく相談して決めておきましょう。
リフォーム費用を節約する方法
リフォーム工事では、工事本体にかかる費用以外にこれまで紹介した諸経費などをトータルすると、場合によっては数百万から1000万円近くの金額になることもあります。できるだけ無駄な経費がかからないように工夫することが大事です。ここでは、リフォーム費用を節約するためのポイントをいくつかあげておきましょう。
設備のグレードを落とす
設備には必要最低限の機能だけでなく、より快適に暮らせるオプションがあります。最新のものだとどうしてもほしくなりますが、よく考えずに取り付けてしまうと、実際には使わなかったというオチも…。自分たちに必要な機能は何かをよく考えたうえで、ある程度グレードを落とすことも大切なのです。
できるだけまとめてリフォームする
屋根と外壁のリフォームは足場をかけて行う工事です。仮に屋根と外壁を別々でリフォームしてしまうと、足場工事を2度も行うことになりますので、結果的に費用がかさんでしまいます。水回りなども同様で、リフォームの予定があるのであれば関連した設備をまとめてリフォームしてしまった方が効率的です。
助成金などを活用する
リフォーム工事に関しては公的機関による補助金・助成金を活用することができます。特に耐震関係や省エネ・エコ関係、介護のためのバリアフリー化工事などは、各自治体が補助金を付けていることがあります。
ただ、補助金・助成金の申請自体はかなり複雑なうえ先着順なので、予算がなくなると締め切られてしまうことがほとんど。リフォームの検討段階で使える制度はないか、リフォーム会社の担当者に相談してみるとよいでしょう。
リフォーム費用の負担を軽減する制度
リフォーム工事では自治体や国が実施している補助金制度や税金の減税制度などがあります。この制度を利用することで費用の負担を軽減することができます。どんな制度が活用できるのか、代表的なものを紹介します。
リフォーム工事で利用できる補助金
補助金は各自治体が窓口となって、条件を満たすリフォーム工事に対して実施されるお金のことです。住宅の耐震強化工事やエコ化工事、介護に必要なバリアフリー工事などに対して補助が付くことが多いです。代表的なものには以下のようなものがあります。
・グリーン住宅ポイント制度
国土交通省が推進している制度で、住宅のエコ住宅化を推進しつつ、コロナ禍で停滞気味の住宅需要を喚起する目的で実施されています。リフォームの場合はエコ化リフォームやバリアフリー化工事などを行うと、ポイント制度で定められたポイントが付与されます。最低で5万ポイント以上の工事が必要で、申請後に付与ポイントでさまざまな商品と交換できたりします。
・令和2年度補正予算ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)支援事業
こちらは環境省が行っている制度です。ZEH(ゼッチ)と呼ばれている「高断熱、高性能で年間エネルギー消費量の収支ゼロを目指した住宅」を建築、リフォームする場合に補助金が交付されます。毎年3月後半から5月上旬までの期間に募集があり、補助金額は一戸当たり定額で60万円となっています。
・市町村住宅関連補助金制度
全国のほとんどの自治体では、独自にリフォーム工事に対する補助金・助成金制度を実施しています。主に耐震補強工事やエコ住宅化工事、バリアフリー化工事等が対象となっていることが多く、規模としては数十万円程度というものがほとんど。各自治体の予算が尽き次第締め切られてしまうので、住んでいる自治体のHPなどをこまめにチェックしておきましょう。
リフォーム工事で利用できる減税制度
リフォームすると、所得税や固定資産税などを減税することができます。たとえば耐震工事を自己資金で行った場合は所得税から最大25万円、バリアフリー工事をした場合に20〜25万円が控除されるなど、さまざまな特例が存在します。贈与税や登録免許税といった税金でも特例があるので、条件が合えばリフォーム工事時には制度を活用しましょう。
リフォームの見積りについての注意点
リフォーム工事はどの工事会社に発注するか、よく吟味することが大事になります。工事内容とその専門性に合った業者を選ぶことも重要ですし、地元の業社かどうかでも予算規模が変わってくることがあります。できれば見積りを2〜3社に出してもらって比較検討したほうがよいでしょう。
また、リフォーム工事は設備費用や工事費用、設計費用など、トータルでどれくらいの工期や費用になるかも会社によって大きく変わってきます。メーカーと提携している工務店などは安く設備を入れてくれる場合もありますので、見積もり費用だけでなく、その内訳についても細かく相談しておくことが大切です。
リフォームをする前に資金計画を立てよう
リフォーム工事は要望や対象となる工事の内容などによって、柔軟に対応できる業社を選ぶことが大切です。また、工事内容だけでなく資金面も含めて、専門家に相談することも重要。ビルドアートでは、リフォーム内容から資金面でのご相談まで、専門的な知識を持ったスタッフがお受けしておりますので、リフォームを検討中の方はぜひ一度ご相談ください。